2019年2月2日土曜日

暦の周期について

暦の周期について


暦には周期の異なる複数の要素が併存しています。その由来を知らないと暦はブラックボックスのように見えてしまいます。
複数の要素を簡単に整理してみましょう。

西暦年
 太陽の運行(地球の公転)に基づいています(太陽暦)。365または366日が1年となります。
 冬至から10日ほど経った日を元日にしているのには厳密な意味はありません。
二十四節気
 太陽の運行(地球の公転)に基づいています。1年を24に等分していますので、約15日ごとに訪れて季節を正確に示します。七十二候は約5日ごとになります。
 これらは西暦の上では毎年大体同じ日付となります。
星座(黄道十二宮)
 太陽の運行(地球の公転)に基づいています。
 地球から見て太陽の方向に位置する星々は季節によって異なり、1年で元に戻ります。占星術ではそれを12に分けてそれぞれ星座名を付けています。1年を12等分していますから約1ヶ月で次の星座名に移ります。
 太陽の背後にある星座ですから、その時期にはその星座は見えません。

ここまでは太陽の運行のみに基づくものです。

旧暦
 月の運行で1ヶ月を決め、太陽の運行で正月の位置を決めます(太陰太陽暦)。29または30日で1ヶ月、12または13ヶ月で1年となります。
 季節との関係は毎年少しずつずれるので、同じ日付でも新暦に直すと最も早い年と遅い年では30日程度違うことになります。
太陰暦
 月の運行のみに基づいています。29日か30日の月が12か月で1年となるので季節の巡りとは一致せずどんどんずれて行きますが、気候の差が大きくない熱帯地方では実用に堪えます。イスラム暦など。
潮汐
 地球上の海水は太陽や月に引っ張られている側と地球の裏側が盛り上がり(満潮)、その中間では海面が下がります(干潮)。太陽と月は一日かかって地球を巡るので、同一地点の干満は約12時間で繰り返します。
 太陽と月が同じ方向にある新月の時期と反対側にある満月の時期の直後には両方の引力が重なっているので干満の差が特に大きくなります(大潮)。その中間の半月の頃には打ち消し合って干満の差が小さくなります(小潮)。大潮と小潮はそれぞれ約二週間ごとに巡って来ます。
 基本的なサイクルは上の通りですが、実際の潮位変動は地形に大きく左右されるので各地の潮汐はそれぞれの長年の観測値を参考に予報されます。

以上は太陽と月の運行に関係するもの、以下は架空の原理によるものです。

西暦の月
 月の満ち欠けの周期(29~30日)に似せて西暦の1年を適当に12に分けたもの。実際の月の満ち欠けとは関係がなく、毎月の日数の違いにも合理的意味はありません。
曜日・週
 実際の天体の運行とは関係のない7つの名称が単純に繰り返されます。
 西暦の日付と曜日によるカレンダーは一見28年周期で繰り返されますが、西暦1700年からは100の倍数で400の倍数でない年を挿むとこれが崩れることになりました。400年周期で完全に繰り返されます。
六曜
 天体の運行とは関係のない6つの名称が順に繰り返されます。ただし旧暦各月のついたちにそれぞれ決まった名称にリセットされるので、新暦上では一見不思議に見える配列となります。
 旧暦時代には毎年同じ日付は同じ六曜になるのであまり興味を持たれませんでした。
干支
 天体の運行とは関係のない10の干の繰り返しと12の支の繰り返しがあります。十二支だけなら年のえとは12年ごとに元にもどりますが、十干と合せて60の種類ができるので60年で一巡します。
 西暦の日付と日の干支の組み合わせは一見80年で一巡しますが、西暦1700年以降は100の倍数で400の倍数でない年を挿むとこれが崩れます。8000年周期で完全に繰り返されることになりますが、その前にグレゴリオ暦のずれ修正のためにいずれ閏年が一回省かれることになるでしょうから、実際にはその繰り返しは現在の計算通りには実現しません。
その他の暦注
 九星、十二直、二十八宿など。